労働条件通知書は口頭と書面どちらが有効?入社前に確認すべきポイントを紹介
2025/11/05
投稿者:武藤翼
こんにちは!不動産専門の転職支援サービス「Axi HR」を運営するAXIDEA編集部です。
内定が決まると、企業から「労働条件通知書」が交付されます。
しかし、いざ書面を見てみると、求人票の内容や面接で聞いた内容と異なるといったケースが少なくありません。
労働条件通知書は法的に効力を持つ契約文書であり、口頭での説明よりも「記載された内容」が最優先されます。
また、ベンチャー企業などは福利厚生の変更や、異動のケースが多いと認識しておくとギャップを感じにくいでしょう。
LINEで相談1. 労働条件通知書とは?
労働基準法第15条に基づき、企業が従業員に雇用条件を明示する義務を定めた文書です。
これは口約束ではなく、「採用条件の最終確認書」としての意味を持ちます。
主な記載項目は以下の通りです。
| 項目 | 内容 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 契約期間 | 有期 or 無期雇用/更新有無 | 契約社員・業務委託の場合は特に注意 |
| 就業場所・業務内容 | 配属先・職務範囲 | 「別部署配属の可能性あり」の文言があるか |
| 始業・終業時刻/休憩・休日 | 所定労働時間・休日体系 | 土日祝/シフト制の違いに注意 |
| 賃金(基本給・手当・歩合など) | 月給・年俸・インセンティブ条件 | 面接時に聞いた金額と一致しているか |
| 賞与・昇給 | 回数・算定基準 | 「業績による」の一文に要注意 |
| 試用期間 | 期間・待遇・短縮/延長の有無 | 試用中減給の有無を確認 |
| 退職関連 | 退職手続き・解雇事由 | 「自己都合退職」「会社都合」扱いの明確化 |
関連記事:試用期間後の昇給・評価仕組みを確認しているか?
2. 不動産業界で特にズレが起きやすいポイント
不動産会社の労働条件通知書では、以下の項目に注意が必要です。
| 項目 | よくある口頭説明とのズレ | 対応策 |
|---|---|---|
| インセンティブ(歩合率) | 「歩合は契約の○%」→実際は経費控除後の% | 計算例・対象範囲を文書で確認 |
| 勤務時間・残業代 | 「みなし残業40時間込み」と聞いていない | 固定残業の有無と時間数をチェック |
| 休日 | 「完全週休2日」と聞いたが実際はシフト制 | 休日の定義を確認(週2休≠完全週休2日) |
| 試用期間中の給与 | 「同条件」と言われたが減額あり | 試用期間の給与・歩合扱いを要確認 |
| 勤務地 | 「本社勤務」と聞いていたが支店配属 | 「転勤あり」の記載に注意 |
特にインセンティブ体系は、不動産営業職では年収に直結する部分です。
曖昧なまま入社すると、想定年収との差が大きくなることもあります。
3. 書面確認の具体的ステップ
① 面接・オファー時のメモを残す
「給与形態」「歩合率」「評価期間」など、口頭で聞いた内容を記録しておく。
② 通知書受領後に差異リストを作成
聞いた内容と書面を照合し、気になる点をリストアップ。
③ 入社前に企業へ確認
「念のため確認したい点があります」と前向きな姿勢の質問など、メールで記録を残しておくのがおすすめです。
例文:「インセンティブ算出の基準について、通知書では会社規定によるとありますが、面接でお伺いした条件と同内容でよろしいでしょうか?」
4. 修正が必要な場合の対応方法
通知書の内容に誤りや不一致がある場合、すぐに「契約違反だ」と主張するのではなく、冷静に事実確認と修正依頼を行うことが大切です。
- 念のため、こちらの理解が合っているか確認させてください。
- この条件は、面接時の説明内容と異なりますが、どちらが正式でしょうか?
企業側も事務的なミスで修正に応じるケースが多く、誠実な姿勢での確認が信頼関係を崩さないポイントです。
5. 一致確認で得られる3つのメリット
- 条件トラブルの予防
入社後の「言った・言わない」を防止できる。 - キャリアの計画性が上がる
年収・働き方・評価基準の見通しが立つ。 - 交渉力の強化
書面を基に、冷静かつ事実ベースで条件調整が可能。
メリットを理解して、適切に確認をしましょう。
6. まとめ:労働条件の認識を合わせてキャリアアップしよう
本記事をまとめると以下のとおりです。
- 労働条件通知書は「採用条件の確定書」
- 不動産業界では、特に歩合率・残業・休日の項目に注意
- 面接時の説明と違いがあれば、入社前に必ず確認
- 書面一致を確認することが安心して入社するための第一歩
Axi HRでは、不動産業界各社の労働条件通知書の雛形比較・インセンティブ計算ルール・契約確認サポートを提供しています。
口頭と書面のズレを防ぐことで、納得感ある転職を実現しましょう。
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