仲介手数料の仕組みとは?仲介会社はなぜ儲かるのか
2025/11/10
投稿者:武藤翼
こんにちは。不動産専門の転職支援サービスを運営するAxi HRです。
「仲介会社ってどうやって儲けているの?」
「仲介手数料って高く感じるけど、どういう仕組みなの?」
不動産取引において最も身近でありながら、意外と理解されていないのが仲介手数料の仕組みです。
この記事では、法的な上限から収益構造、そして仲介会社がなぜ高収益を上げられるのかまでを解説します。
LINEで相談1. 仲介手数料とは何か
仲介手数料とは、不動産の売買や賃貸契約が成立した際に、仲介会社(宅地建物取引業者)が受け取る報酬のことです。
不動産会社は売主と買主、または貸主と借主の間に立ち、契約成立をサポートします。
この報酬には法律上の上限が定められており、自由に設定できるわけではありません。
「宅地建物取引業法施行規則」に基づく上限は次の通りです。
| 取引内容 | 上限報酬額(税別) |
|---|---|
| 売買・交換の媒介(400万円超) | 売買価格の3%+6万円 |
| 賃貸の媒介 | 家賃の1か月分 |
| 売主・買主双方から受け取る場合 | それぞれ上限内で受領可能 |
2. 仲介会社の主な収益源
仲介会社の収益の中心は、契約ごとの仲介手数料です。
売買仲介の場合、1件の取引単価が数千万円から数億円に及ぶため、1件あたりの報酬額も大きくなります。
例えば、4,000万円の中古マンションを仲介した場合、仲介手数料の上限は「4,000万円 × 3% + 6万円 = 126万円(税別)」となります。
売主と買主の双方から受け取る「両手取引」の場合、報酬は最大で約252万円(税別)に達します。
このように、1件あたりの単価が高いほど効率的に収益を上げられる構造になっています。
3. 仲介会社が儲かる理由① 両手取引の仕組み
仲介会社が特に高収益を得るのは、両手仲介(両手取引)のときです。
これは、売主と買主の双方から仲介手数料を受け取る取引形態です。
不動産流通機構(レインズ)に登録された物件をもとに、自社で買主・売主の双方をマッチングできた場合、報酬を2倍で受け取ることが可能です。
ただし、両手仲介には「利益相反」の懸念もあるため、取引の公正性や顧客利益の保護が求められています。
4. 仲介会社が儲かる理由② 固定費が比較的低い
不動産仲介業は、在庫を持たないビジネスモデルです。
物件を仕入れる必要がなく、原価がほとんど発生しません。
主な経費は広告費・人件費・オフィス賃料などであり、契約件数が増えるほど利益率が高まります。
特に都市部の営業会社では、営業担当者1人あたり月2〜3件の成約を安定的に出せば、年間で数千万円単位の売上を生み出すことも可能です。
5. 仲介会社が儲かる理由③ 反響営業モデルの効率性
ポータルサイト(SUUMO、アットホームなど)を活用した反響営業モデルによって、効率的に集客できる点も大きな特徴です。
顧客が自ら問い合わせてくるため、飛び込み営業やテレアポに比べて成約率が高く、成果を出すまでの時間を短縮できます。
また、反響データを分析して成約率の高い顧客層に広告を集中させることで、広告コストを最適化しながら利益率を高めることが可能です。
6. 仲介会社が儲かる理由④ リピート・紹介の仕組み
信頼を築いた顧客からの紹介やリピート契約は、仲介会社の安定収益源です。
購入者が数年後に売却する場合や、投資家が複数物件を取引する場合など、一度の顧客対応が継続的な利益につながります。
営業担当者によっては、紹介案件だけで年間売上の半分以上を占めるケースもあります。
信頼関係の構築が、長期的な収益安定のポイントです。
7. 仲介手数料の現状と今後の動向
近年では、仲介手数料を割引・無料化する企業も増えています。
これは、ネット集客やAI査定などの普及によって、営業コストを削減できるようになったためです。
ただし、無料モデルの多くは売主から広告費を受け取る構造であり、完全な「無料」ではありません。
今後は、仲介手数料の価格競争よりも、サービス品質や提案力で差別化する時代へと移行しています。
8. まとめ 仲介会社は「効率×信頼」で利益を生む
仲介会社が儲かる理由は、契約単価の高さと利益構造の効率性にあります。
ただし、短期的な利益に偏らず、顧客との信頼関係を築くことが長期的な安定収益につながります。
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