不動産の仕事ってどんな世界?タイプ別にキャリアと向き不向きを整理して解説
2025/11/14
投稿者:武藤翼
Axi HRの不動産専門キャリアアドバイザーです。
就職・転職の相談を受けていると、「なんとなく不動産に興味があるけど、どんな仕事があるのかイメージできない」という声をよく聞きます。
不動産関係といっても、お客様と毎日顔を合わせる接客、オーナーや投資家と向き合う資産運用、街づくりに関わる企画・開発など、役割も求められるスキルは違います。
そこでこの記事では、自分の性格・価値観に合う不動産の仕事はどれかを軸に、不動産業界の代表的な職種と向き・不向きを整理してご紹介します。
未経験からチャレンジしやすい仕事、将来的に高年収を目指しやすいキャリアもあわせて解説していきます。
LINEで相談1. 不動産の仕事は「役割」で見るとわかりやすい
不動産の仕事は、次の3つの役割に分けて考えると全体像がつかみやすくなります。
- 暮らしを支える仕事
例:賃貸仲介、賃貸管理、営業サポート・事務 - 人生の大きな決断を支える仕事
例:売買仲介(マイホーム・土地・投資用物件の売買) - 街と資産をつくって動かす仕事
例:開発・企画(デベロッパー)、不動産運用(PM・AM)
同じ「不動産業界」でも、誰のために働くのか、関わる金額の大きさ、必要とされる専門知識の深さによって仕事は変わります。
ここからは、この3つの役割ごとに、具体的な職種や向いているタイプを見ていきましょう。
2. 暮らしを支える仕事|人と話すのが好きな人にぴったり
2-1. 賃貸仲介:住まい探しの「案内役」
賃貸仲介は、「引っ越したい」「ひとり暮らしを始めたい」と考えている人の相談に乗り、お部屋探しをサポートする仕事です。
- 来店・問い合わせ対応(条件のヒアリング)
- 条件に合う物件の提案
- 現地への案内(内見)
- 申込〜契約までの手続きフォロー
向いている人の特徴は以下のとおりです。
- 初対面の人ともすぐに打ち解けられる
- 「人の話を聞いて、言葉にして整理する」のが苦にならない
- 目に見える成果(契約件数)で評価されると頑張れる
未経験からの入口として最も多いのがこの賃貸仲介です。
不動産の基本的な仕組みや書類の流れを学びやすく、「自分は不動産の仕事に向いていそうか」考えている人におすすめな仕事といえます。
2-2. 賃貸管理:入居後の安心を守る「裏方の司令塔」
賃貸管理は、お部屋に入居した後を支える仕事です。
対象は入居者とオーナーの両方です。
- 入居者からの問い合わせ対応(設備不具合、騒音など)
- 家賃の入金チェック・督促対応
- 建物の点検・修繕の手配
- オーナーへの収支報告・改善提案
など、日々の運営を安定させる役割を担います。
こんな人に向いています
- 縁の下の力持ち的な役割が好き
- 物事を整理して順序立てて進めるのが得意
- コツコツと同じ業務を継続するのが苦にならない
営業ノルマよりも「安定して長く働ける環境」を重視したい人には、賃貸管理が選ばれることが多いです。
2-3. 事務・営業サポート:数字・書類でチームを支える仕事
店舗や営業部門を、数字や書類の面から支えるのが事務・営業サポートです。
- 契約書類の作成、チェック
- データ入力、顧客情報の管理
- 広告掲載の更新(物件情報の入力)
- 電話・メールの一次対応
上記の仕事が中心で、直接ガツガツ営業を行うイメージではありません。
こんな人に向いています
- ミスなくコツコツした作業を続けられる
- PC操作やExcelが嫌いではない
- 「前に出て話すより、支える方が好き」
未経験でも採用されやすく、「まずは事務で不動産の現場に触れてから、興味があれば営業や管理にキャリアチェンジする」という歩み方もあります。
3. 人生の大きな買い物を支える仕事|売買仲介
売買仲介:高額取引を扱うプロフェッショナル
売買仲介は、
- マイホームを購入したい人
- 土地や家を売却したい人
- 投資用物件を買いたい人
の間に入り、取引がスムーズに進むよう調整する仕事です。
仕事の一例
- 物件価格の査定
- 売却・購入の相談対応
- 物件の提案・案内
- 条件交渉、契約内容の調整
- 引き渡しまでのスケジュール管理
賃貸と比べると一件あたりの金額が大きく、
成果が出れば年収にダイレクトに反映されやすい領域です。
こんな人に向いています
- 責任ある仕事にやりがいを感じる
- 数字を追う仕事が嫌いではない
- 論理的に説明する力、交渉力を鍛えたい
- 宅建(宅地建物取引士)の資格取得に前向き
その分、プレッシャーも大きく、平日夜や土日の対応が増える傾向も。
「短期的にぐっと稼ぎたい」「営業として大きく成長したい」という人に好まれやすい仕事です。
4. 街と資産をつくる仕事|企画・開発・運用の世界
4-1. 開発・企画(デベロッパー):街に“新しい風景”をつくる
開発・企画は、「ここにどんな建物があれば街が良くなるか?」を考え、実際に形にしていく仕事です。
- 土地の情報収集・購入(用地仕入)
- マーケットリサーチ(どんなニーズがあるか)
- マンション・戸建・商業施設などの企画
- 建築会社・設計事務所との調整
- 販売・賃貸戦略の立案
といった流れで、長いプロジェクトを動かしていきます。
こんな人に向いています
- 「地図に残る仕事」に魅力を感じる
- 数字とクリエイティブの両方に興味がある
- 長期のプロジェクトを粘り強く進めたい
未経験からいきなり挑戦できるケースは多くなく、
賃貸・売買での営業経験や、建築・金融系のバックグラウンドを活かしてステップアップする人が多数です。
4-2. 不動産運用(PM・AM):不動産を“商品”として育てる
不動産を資産として運用し、価値を高めていくのが不動産運用の仕事です。
同じ運用でも、役割によって少しスタンスが変わります。
- PM(プロパティマネジメント)
建物の運営担当。入居率や賃料、ランニングコストなどを改善し、
「このビル(マンション)は収益性の高い物件です」と言える状態を目指します。 - AM(アセットマネジメント)
投資家の立場に立って、どの物件に投資するか、どう運用するかを考える“資産運用の司令塔”のような役割です。
こんな人に向いています
- 投資・金融の仕組みに興味がある
- 物件1つ1つを「ビジネス」として分析してみたい
- データを見ながら改善策を考えるのが好き
金融・不動産の知識が深く身につくため、大手ディベロッパーや外資系ファンドなど、キャリアの選択肢が広がりやすい分野です。
一方で、即戦力採用が中心で、業界経験を積んだ後に目指す人が多い領域でもあります。
5. 未経験から入りやすい不動産の仕事
「不動産は初めてだけど、挑戦してみたい」という方が最初に選びやすいのは、次のようなポジションです。
- 賃貸仲介(接客・営業)
- 賃貸管理(管理・サポート業務)
- 事務・営業アシスタント
なぜこの3つが入口になりやすいのか?
- 専門的な知識は、入社後の研修やOJTで身につけられる
- 人柄やコミュニケーション力を重視して採用されるケースが多い
- 未経験者向けの求人が比較的豊富
また、この3つの職種で得た経験は、
・売買仲介
・開発・企画
・不動産運用(PM・AM)
といったステップアップにもつなげやすく、「まずは不動産業界に入るための土台づくり」としてもおすすめです。
6. 不動産の仕事が向いている人の特徴
不動産業界で長く活躍している人には、いくつか共通点があります。
- 人と関わること自体を楽しめる
- フットワークが軽く、行動に移すのが早い
- 数字や成果で評価されても前向きに受け止められる
- 変化のある毎日の方が性に合う
- 「住まい」「街」「資産形成」などのテーマに興味がある
営業職を目指すかどうかに関わらず、「人のライフイベントに寄り添う仕事である」という点は、不動産の多くの職種に共通しています。
- 人と話すこと自体が大きなストレスになる
- 土日勤務や繁忙期の残業を絶対に避けたい
上記の場合は、賃貸管理や事務など、よりワークライフバランスを取りやすい職種を選ぶとミスマッチを防ぎやすくなります。
7. まとめ|自分の「性格」と「将来像」から逆算して選ぼう
最後に、不動産の仕事選びで押さえておきたいポイントを整理します。
不動産の仕事は「暮らしを支える」「大きな買い物を支える」「街と資産をつくる」という3つの役割に分けて考えるとイメージしやすいです。
どの仕事が楽そうかではなく、自分の性格・価値観に合うか、将来どうなりたいかから選ぶことが、ミスマッチを防ぐのに有効といえます。
最初から完璧な選択をしようとしすぎず、「今の自分に合う入口」からキャリアをスタートさせ、興味に合わせて少しずつ専門性を広げていくのがおすすめです。
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