未経験の分野(例:海外不動産、ファンド)への挑戦は現実的か?
2025/10/21
投稿者:武藤翼
―“業界経験者”でも、分野が変われば“挑戦者”になる。
こんにちは!不動産専門の転職支援サービス「キャリすぐ」を運営するAXIDEA編集部です。
最近、「海外不動産や不動産ファンドなど、より専門性の高い分野に挑戦したい」という相談をよくいただきます。
しかし、賃貸や売買仲介からファンドや海外市場へキャリアチェンジすることは、本当に現実的なのか?
今回は、同じ不動産業界でも“分野が違う”転職に挑む際の現実と戦略を、具体的に解説します。
LINEで相談不動産業界の「分野転換」は、確実に増えている
近年、不動産業界は「不動産×金融」「不動産×グローバル」「不動産×テクノロジー」など、異分野の融合が進んでいます。
そのため、賃貸・売買・PMといった既存のキャリアから、以下の4つの領域へ転職する人が増えています。
- ファンド運用
- REIT
- 海外投資・開発
- CREコンサル
ただし、共通していえるのは「不動産知識を活かせるが、金融・会計・英語力など“別の専門軸”が必要」といえます。
海外不動産・ファンド領域で求められるスキル
| 分野 | 主な業務内容 | 必要スキル |
|---|---|---|
| 海外不動産 | 海外の不動産投資・販売・現地法人との連携 | 英語力(TOEIC800以上目安)、各国法規、文化理解 |
| 不動産ファンド | 投資用物件の取得・運用・投資家対応 | 会計知識、ファイナンス理論、Excel・DCF分析 |
| REIT運用 | 不動産を証券化し投資家に販売 | 財務・証券知識、資産運用の理解 |
| CRE戦略・法人コンサル | 法人不動産の活用・再配置提案 | 企業会計、ロジカルシンキング、提案力 |
現職で得た「不動産の基礎+営業・契約経験」をベースに、足りないスキルを3〜6か月で補う戦略が現実的です。
現実的に転職を成功させるための3ステップ
Step1:共通スキルを整理する
たとえば賃貸・仲介営業の経験がある人なら、以下の3つは不動産ファンドや海外開発にも直結するスキルです。
- 物件調査力
- 契約理解(重要事項説明書など)
- 顧客折衝・提案スキル
まずは「不動産としての基礎スキル」を棚卸ししましょう。
関連記事:他の職種(例:賃貸から売買、仲介からデベ)に活かせる汎用スキルは何か?
Step2:不足スキルを“短期間で可視化”する
資格取得や実務知識の補強を、計画的に行うのがポイントです。
| 目的 | 学ぶ内容 | おすすめ資格 |
|---|---|---|
| ファンド・投資系へ | DCF法、財務三表、ファンドスキーム | 不動産証券化協会認定マスター(ARES) |
| 海外不動産へ | 英語交渉、海外登記・税務制度 | TOEIC/宅建+英語不動産講座 |
| CREコンサルへ | 企業会計、資産最適化 | 宅建+簿記2級/中小企業診断士基礎 |
「資格を取る」だけでなく、“なぜその知識が必要か”を語れることが面接では重要です。
Step3:ポテンシャル採用枠を狙う
海外・ファンド・CRE領域は、即戦力だけでなく「素養採用」も増えています。
特に狙い目は以下のような企業です。
- 不動産 × 金融のハイブリッド企業
- デベロッパーの投資企画部門
- 海外展開を進める中堅企業
- CRE・AM(アセットマネジメント)会社
「現場理解がある営業出身者」+「金融・英語を学び始めている」という人材は、採用企業からの評価が高まっています。
不動産から“金融・海外領域”へ移る際の注意点
- 成果を定量的に伝えること
→ 「年間契約◯件」「成約率◯%」「利益貢献額◯万円」など、数字で語る。 - 異業種用語を理解して話すこと
→ 「利回り」「NOI」「キャップレート」「IRR」など基本用語を押さえる。 - 即戦力ではなく“伸びしろ人材”として見せる
→ 「不動産実務×新分野の吸収意欲」をアピールする。
実際に挑戦した人のキャリア例(キャリすぐ登録者より)
- Aさん(29歳・賃貸営業出身)
→ 宅建+簿記2級取得後、CREコンサル企業に転職。現在は法人の保有資産分析を担当。 - Bさん(33歳・売買仲介出身)
→ 英語勉強と投資分析を学び、日系デベロッパーの海外部門へ。東南アジアの開発案件に参画。 - Cさん(35歳・管理会社出身)
→ AM会社のアシスタントからスタートし、2年で運用担当に昇進。
これらの共通点は、“不動産基礎×新しい専門スキル”の組み合わせにあります。
まとめ:不動産キャリアの“次の一歩”は、自分で設計できる
本記事をまとめると以下の通りです。
- 不動産業界は今、異分野への挑戦チャンスが広がっている
- 既存スキルを活かしつつ、3〜6か月で“知識補強”を行うのが現実的
- 「経験がない」より、「成長領域に飛び込める準備がある」ことを示すことが重要
