メンバーの現場力を引き出すフィードバック設計とは?
2025/10/28
投稿者:武藤翼
―叱るでも褒めるでもなく、「次の行動」を生み出す仕組み。
こんにちは!不動産専門の転職支援サービス「キャリすぐ」を運営するAXIDEA編集部です。
「現場対応が弱い」「同じミスが繰り返される」そう感じたとき、上司がやりがちなアプローチが指摘や指導です。
しかし、成果を出すチームに共通しているのは、「フィードバックの設計」が上手いマネージャーがいること。
単なる評価や指摘ではなく、現場力を引き出す会話こそが、メンバーを成長させる最も効果的なマネジメント手法です。
この記事では、不動産業界の現場における“フィードバック設計”の具体的な考え方を紹介します。
LINEで相談なぜ「フィードバック設計」が重要なのか?
不動産業界の現場では、営業・管理・契約対応など、日々の判断がスピード勝負です。
そのため、ミスや改善点をその場の感情で伝えてしまうケースが多く見られます。
しかし、感情的な指摘では行動は変わりません。
成果を出す上司は、以下のように考えています。
「指摘は“反省”ではなく、“改善行動”を生むためにある。」
つまり、フィードバックとは“報告”でも“評価”でもなく、行動を変えるための設計行為なのです。
現場力を引き出すフィードバックの3原則
① 行動ベースで伝える(人格ではなく行動を指摘)
悪い例
「あなたは報告が遅い」
良い例
「この案件では、進捗報告が2日空いてしまった。オーナーへの説明が遅れたのはここが原因だったね。」
人格を評価せず、事実ベースの行動で伝えることで、受け取る側も感情的にならず、改善しやすくなります。
② 「次にどうすればいいか」を一緒に考える
フィードバックの目的は「原因の究明」ではなく「行動の再設計」です。
悪い例
「どうしてミスしたの?」
良い例
「次に同じ場面が来たら、どんな手順で確認できそう?」
問いかけ型にすることで、メンバー自身が自分の中で改善策を言語化できます。このプロセスによって、現場での判断力を育てます。
③ 結果ではなく“プロセス”を褒める
不動産営業や管理では、成果(成約・受託・更新率)だけで評価しがちです。
しかし、成長を促すにはプロセスそのものを肯定することが重要です。
例
「顧客の要望を整理した上で提案した点が良かった」
「現場確認のスピードが以前より早くなったね」
小さな進歩を具体的に認めることで、「次も工夫しよう」という内発的モチベーションが生まれます。
現場マネジメントにおけるフィードバック設計例
| シーン | 悪い例 | 良い例 |
|---|---|---|
| クレーム対応 | 「またミスしたのか」 | 「対応後に写真と報告をすぐ送ってくれたのは良かった。次は一次対応をもう少し早くできそう?」 |
| 契約トラブル | 「確認不足だね」 | 「この契約書の確認項目をテンプレ化しておこうか。再発防止の仕組みを一緒に作ろう。」 |
| 提案営業 | 「数字が足りていない」 | 「顧客ヒアリングの内容は良かった。次は提案資料に“事例”を1件入れてみよう。」 |
良いマネージャーほど、叱らずに方向性を提示するのが上手いです。
これにより、メンバーが安心して挑戦できる環境が生まれます。
チーム全体にフィードバック文化を根付かせる方法
① 1on1を「報告の場」ではなく「思考整理の場」にする
- 数値報告よりも「なぜその行動を選んだか」を聞く
- メンバーが考えた改善策を受け止め、肯定的に返す
② 成功事例をチームで共有する
- 現場対応でうまくいった事例をスプレッドシートで蓄積
- 「この対応が良かった理由」をチームで分析し、全員の学びに変える
③ フィードバックの可視化
- Slack・Notion・日報で「今日の気づき」を共有
- 上司だけでなく、メンバー同士でも“称賛コメント”を残す文化をつくる
関連記事:現場対応力をチームに“仕組み化”するマネジメントスキルとは?
面接で「育成・フィードバック経験」を語るときの構成
① メンバーの課題をどう見抜いたか
② どんなフィードバックを行ったか
③ どんな変化があったか
例
「新人営業に対し、失注原因を責めるのではなく提案プロセスに注目しました。商談後の振り返りを週1回設定した結果、3ヶ月で成約率が15%向上しました。」
数字よりも行動変化を導いた経験を語ることで、マネジメントとしての再現性のある育成力を伝えられます。
まとめ:優れた上司は教えるのではなく気づかせる
本記事をまとめると以下のとおりです。
- フィードバックは「反省」ではなく「次の行動」を生む設計行為
- 行動ベース・問いかけ型・プロセス褒めが基本原則
- チーム文化として根付かせることで、現場力が自走化する
キャリすぐでは、不動産業界のマネージャー層に向けて、「現場育成の仕組み化」や「フィードバックの言語設計」を支援しています。
一人ひとりの現場力を引き出すマネジメントを、次のキャリアで実現しましょう。
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